航海用海図

航海用海図は海の案内図で、船舶の航海の安全、経済的運航を図るうえで必要不可欠なものです。我が国では、海上保安庁が刊行しています。
海は変化するため、海図の内容も常に最新の状態に維持することが大切です。海上保安庁により毎週発行される「水路通報」に従い、補正を行います。
海図は、全地球測位システム(GPS)の急速な普及に対応できるよう、世界測地系(WGS-84)で編集されています。

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航海用海図は、縮尺によって次の5種類に分類されます。

航海用海図分類

1. 総図

地球上の極めて広い区域を一図に収めたもので、主として航海計画立案用に、また長途の航海にも使用されます。 縮尺1/400万よりも小縮尺のものです。

2. 航洋図

長途の航海に用いられ、沖合いの水深、主要灯台の位置、遠距離から視認可能な自然目標などが図示してあります。 縮尺1/100万より小縮尺のものです。 日本近海は1/120万~1/250万の縮尺の図で包含されています。

3. 航海図

陸地を視界に保って航行する場合に使われ、船位が陸上物標から決定できるように表現されています。 縮尺1/30万より小縮尺のものです。日本近海は1/50万の縮尺の図で包含されています。

4. 海岸図

沿岸航海に使用するもので、沿岸地形の細部が表現されています。縮尺1/5万より小縮尺の図です。日本沿岸は縮尺1/20万の図で包含されています。また主要な海域は、縮尺1/10万の図が刊行されています。海岸図は非常に利用範囲が広い海図です。

5. 港泊図

港湾、泊地、錨地、漁港、水道、瀬戸など、小区域のものを詳細に描いたものです。1/5万未満の大縮尺の図です。

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海図番号中の記号の意味

◎:海上交通安全法指定海図

海上交通安全法の規定に基づき、同法の定める航路・規制事項などが掲載された海図です。

INT:国際海図

国際水路機関(IHO)の決議に基づき、各担当国が分担して刊行する、統一図式による海図です。INT番号は国際的な共通番号です。図法は主としてメルカトル図法です。縮尺1/350万のものは緯度22.5゜、縮尺1/1,000万のものは緯度0゜における、それぞれの経度の長さを縮尺の基準としています。
〔例〕W1004B(INT510):海図番号W1004B、国際海図510であることを示しています

W:世界測地系海図

人工衛星などで地球全体を観測した結果により決められた「世界測地系」に基づいて作製された海図です。GPSも世界測地系を基準としています。日本語と英語の2ヶ国語で表記されています。

JP:JP海図

英語のみで表記された海図です。「世界測地系」に基づいて作製されています。

記号なし

測地系が不明の海図です。

F:漁業用海図

漁業水域などの漁業資料が加刷された海図です。