海図(Charts)は、海の案内図で航海をするうえに欠かせないものです。海図は使う目的によって種々に分類されており、一般に航海用に使用される図(「航海用海図」)と航海の参考用に使用される図(「特殊図」)とに分けられます。このほかに、海洋開発等に広く使用される「海の基本図」があります。
一般に海図といえば、航海用海図を指します。我が国では海上保安庁が刊行しています。
航海用海図は媒体によって、紙海図と電子海図に分けられます。
紙海図は一般的な大きさが1,085mm×765mm(新聞紙を広げて2枚並べたのと同程度)です。このサイズは「全紙」と呼ばれます。全紙の1/2、1/4サイズの図もあります(海図ガイド/海図を選ぶ/比較する/大きさによる比較 参照)。
航海用電子海図(Electronic Navigational Charts: ENC)は、紙海図に記載されている情報をデジタルデータに直したものです。利用するには、専用の表示装置やPC用表示ソフトウエアが必要です。
このほか国際海図(International Chart : INT Chart)があります。これは国際水路機関の決議により各担当国が分担刊行しているもので、全世界を覆う小縮尺海図の1/1,000万シリーズと1/350万シリーズの2種類があります。
航海の参考に使用される図で、次のようなものがあります。潮流図、大圏航法図、位置記入用図、日本近海演習区域一覧図、ろかい船等灯火表示海域一覧図、海図図式などです。
海図が航海専用の海の主題図(Thematic Map)ならば、「海の基本図」は海の多目的な利用(海洋開発、環境保全、防災等)に供する一般図(General Map)といえ、次の種類があります。
海底地形図、重力異常図、地磁気異常図があります。
縮尺別に1/20万、1/50万、1/100万の3種類があります。
縮尺別に1/1万、1/5万の2種類があります。海底地形図は海底の起伏が詳細に描かれているため、釣りにも利用されています。
海上保安庁刊行の海図は、どちらかといえば大型船向きです。当協会では、プレジャーボートなどの小型船の安全に役立つよう以下の図誌を発行しています。
国土交通省指定 沿岸小型船舶用参考図
プレジャーボートを運航する方のために、沖合から沿岸域にかけての目標・針路・障害物など、最新情報を盛り込みました。B3版・多色刷の図です。
国土交通省指定 沿岸小型船舶用参考図
プレジャーボートや小型船を運航する方のために、港湾、漁港、マリーナなどの図に、目標・針路・障害物などの最新情報を盛り込んだB5判の冊子版(2015年8月販売終了)に掲載されていた図を各ページ単位にしたPDF画像です。
国土交通省指定 沿岸小型船舶用参考図
沿岸域で活動するプレジャーボート等が手軽に利用できる新電子参考図です。詳細な海域情報を掲載。全区域色別表示。漁具定置箇所、マリーナ(Sガイドの小港湾画像表示)などマリンレジャーに有益な情報が満載。GPSを接続すると、自船位置の表示、航跡記録の保存も可能です。
対応OS:Windows 10,11
オプションデータ:「海底地形データ」「潮汐・潮流」