世界の海図の起源
人類が船で未知の海に乗り出すようになると、海図は船乗りにとってなくてはならない航海の道具の一つとして作り出され、発達してきました。
世界で最も古い海図は、13世紀頃から地中海一帯の航海に使用されていた「ボルトラノ海図」と呼ばれるもので、海岸線と地名に加え、ところどころにコンパスローズを描きここから放射線状に目的の港への32方位線を描いた海図です。船は目的の港の方角に羅針盤(コンパス)を合わせて進みました。
その後、15世紀末から大航海時代が始まり、ヨーロッパの船乗りたちは新大陸を目指して海に乗り出し新航路を開拓しました。この時代の海図は方位線に変わり緯度、経度が描かれ、海の深さも少しずつ記入されるようになりました。1569年には有名なメルカトルが考案した航海に最適なメルカトル図法による世界地図が作られ、以後の海図の原型となっています。