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海図の常備義務

船を操縦されるみなさん、海図を使っていますか?

海図は、航海者が、航行する海域の海底などの状況を事前に知り、危険を避けて安全に運航するために必要不可欠なもの、いわば、海の案内図です。

航海者は、航海用具の一つとして、

  • 海図その他予定された航海に必要な航海用刊行物
    (船舶設備規程第146条の10・漁船特殊規程第68条/船舶安全法第2条の9)
  • 水路図誌その他の航海に必要な図誌
    (船員法施行規則第2条の2の5号/船員法第8条)

を、いつでも使えるよう、船に備えなければならない と法令で義務付けられています。

航海に必要な航海用刊行物・図誌としては、

  • 海の案内書・水路誌
  • 灯台や灯浮標などの航路標識をリストアップした灯台表
  • 海上工事や障害物、海図等の最新維持に必要な情報を記載した水路通報
  • 航路や岸壁付近の水深に影響を与える潮の高さの予報値を記載した潮汐表

などが挙げられます。

[参考]
わが国も加入している、1974年のSOLAS条約*では、
「船舶には、適当なかつ最新の海図、水路誌、灯台表、水路通報、潮汐表その他の予定された航海に必要な航海用刊行物を備える。」と規程**されています。
*The International Convention for the Safety of Life at Sea, 1974:1974年の海上における人命の安全のための国際条約 1980年5月25日発効、日本は1980年5月15日に加入。)
**附属書 第5章 航行の安全 第二十規則 航海用刊行物

また、港湾工事で岸壁ができたり、地震などの自然現象で海底の地形などが変化したりしますので、使用に当たっては、

などの注意が必要です。

なお、小型船舶にも海図の備付け義務がありますが、沿岸から5マイル以内のみを航行する20G/T未満の船については、“適切な航海用参考図等を備えるものは不要”とされています。“適切な航海用参考図(沿岸小型船舶用参考図)”には、

などが指定されています。

船を操縦されるみなさん、海図を備え付けていますか?